西方世界との接点が濃い境界地域において成立した可能性がある。中インドの輪廻転生という限りない観念的世界や北方遊牧民の境のない非定住的世界のただ中では、境界を司る神の概念は発達しない。その意味では、ヒンドゥークシュ山頂の昆沙門天石像は最もその形成に相応しい神像と思われる。
ここで少し、ヘルメスについて想いをめぐらせてみたい。ヘルメスは、ギリシアではゼウス神とアトラス神の娘マイアとの子としてアルカ
?ガンダーラ美術のファロー神(向かって左)とアルドクシュー女神像(向かって右)
?ギリシア壷絵ヘルメス像
?小アジア出土ヘルメス柱像
?アイ・ハヌム出土石柱像
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